赤ちゃんは7~9か月ごろになるとお座りができて手先を使った遊びができるようになり、「破る」ことを覚えますね。新聞紙やいらない紙なら親も笑顔で見ていられますが、絵本や大切な書類、ふすまや障子まで広がっていくと大変です。
今回は赤ちゃんが紙を破る心理や、破かれたくないものを破いてしまった時の対処法、また、破かれないようにする方法についてまとめています。
赤ちゃんはなぜ破くの?
赤ちゃんにとって紙を破ることは「いたずら」ではなく学習の一環であり貴重な遊びです。「破る」ことは新しい技術を体得した成長の証なのです。
紙を破るには手先の細かな動きや力加減、視覚的な判断も必要です。指先を鍛える意味でも紙を破くことは知育のひとつと言われています。
破る楽しさを覚えた赤ちゃんには是非積極的に「破らせて」あげましょう。赤ちゃんが自分の力を試したくて身の回りのものを「破る」というのはごく自然なことです。新聞紙や広告など、ママが見本を見せて一緒に破るのがよいでしょう。
破いていいものと悪いものの区別がつかない
赤ちゃんは破っていいものと悪いものの区別はつきません。ちょっと目を離した隙に破いてほしくないものを破られてしまったり、絵本を読みきかせたいのに破ることに夢中になってしまったり…ママとしてはどう対処してよいものか困ってしまいますよね。
「破らないで!」と怒るだけでは赤ちゃんには伝わらないとは言え、破ってはいけないものを破ったときは「ダメ」であることを伝えることは大切です。
破いてほしくないものを破ってしまったら?
では、破いてほしくないものを破いてしまった時はどのように対処するのがよいのでしょうか。例えば絵本であれば、「絵本は破るものじゃないよ、破れたところは直そうね」と言ってテープを貼って修理するところを見せたり、あるいはあらかじめ破れないような分厚いページの絵本を用意しておく…など、怒らないですむ工夫をしてみましょう。
育児は本当に根気のいるものですぐに結果が出るものではありません。毎日の積み重ねが成長につながるものですから、伝わらないように見えても根気よく繰り返すことは大切です。
「破る」ときはいつもママが一緒であれば、破る楽しさを満たしてあげることもできるでしょう。あるいは絵本を読むときは必ずママが一緒にいて、「読むもの」であることを教えてあげることも効果があります。
ふすまや障子の場合
破ってほしくないものの代表としてふすまや障子があげられます。けれど、手の届く位置にあって破きやすいものというのは子どもにとって格好の「破りもの」になってしまうため、子どもに破られてしまう典型的なものとも言えます。
1~2歳ならまだしも、4~5歳になっても「いたずら」から破られてしまうことは多々あります。小さいうちに全部破らせて、ホームセンターで破れにくい素材、プラスチック障子などに変えてしまう…というのも一手です。
子どもが障子を破る心理は「好奇心」です。奥に何があるのか見てみたい、破れかけているとこを破ってみたい、破る音が楽しくてついついやってしまう…といった心境でしょう。
あらかじめ見えないように障子自体をカーテンなどで隠してしまうというのも小さいうちは効果があるでしょう。障子もふすまも何度も貼りかえるのは大変です。
一度はすべて破られる覚悟で思う存分やらせてあげるのもよいと思います。「破ることは知育」と受け入れることができれば「いたずら」に腹を立てる必要もありません。
ママの諦めも大切 楽しむしかない?
赤ちゃんがいると何事も思い通りにはいかないものです。我が家の場合も破かれたくないものなどは高いところへ置いていたものの、成長と共に高いところに上るようになり、取りたくてよじ登ったり、足場になるものを探して乗って取ろうとするなど、よけい危険な事になってしまうので高い場所を諦めた時期があります。
赤ちゃんとの生活は「危険かどうか」が重要であり、繰り返し言い聞かせることと同じくらい諦めることも大切です。ふすまや障子、絵本や大事な書類を破られることはガッカリしてしまう出来事ではありますが、すべては子どもが小さい「今だけ」です。
繰り返し言い聞かせることに苦しくなったら、子どもの「好奇心」を育てると思っていっそ楽しむくらいの気持ちで諦めてしまうのもアリなのではないでしょうか。