私には現在、イヤイヤ期真っ只中の2歳半の息子がいます。“魔の2歳児”と言われているように、キーキー怒ったり泣いたりする息子に日々悪戦苦闘しています。
ですが、私の息子は1歳の時にすでに“常になんでも物を投げまくる魔の1歳児”でした。
まだまだ可愛らしかった0歳9ヶ月頃
同じくらいの月齢の子よりも寝返りやハイハイなど全体的に遅めだった息子。そんな息子が初めて周りの人たちから「すごいね!」と言われたのがボール投げでした。
お座りができるようになり、少し離れてポンっとボールを足と足の間に投げてあげると、それを手に取ってきちんと投げ返すことができました。
みんなに褒められて調子に乗り始めた1歳2ヶ月頃
お座りのころから日々訓練を重ね、歩けるようになる頃には高い位置から投げるので、だいぶ遠くまで飛ばせるようになりました。
地域の支援センターに通っていたので、先生やほかのママに「上手!」「うちの子はそんなに遠くに投げられないよ」と褒められて、最初は私も嬉しく思っていました。
ですがボール以外の固いおもちゃまで投げてしまうようになり、お友達にぶつけてしまわないかハラハラすることが多くなりました。
支援センターの先生に相談すると、「投げそうになったら止めて、安全なゴムボールに促すということを根気強く繰り返す」というアドバイスをいただきました。
周りのママからも「うちの子も少し前までは投げていたけど今はもうやらないよ。もう少しで自然とやらなくなるから大丈夫だよ」と励ましていただきました。
うちの子だけまだ投げている1歳6か月
周りの子を見ていても物を投げてしまう時期というのは割とあるようで、「あ!あの子も投げてる!(よかった~!うちだけじゃなくて)」ということがよくありました。
その子たちも月齢が上がると、だんだんと投げることを卒業しているようなので「うちもそろそろ終わりかな~。終わってほしいな」と思っていました。
でも息子はなかなか投げることをやめませんでした。それどころか止められることを喜んでいる、わざと投げている、という様子でした。
そんな様子に私はイライラするようになってしまいました。ほかの子にぶつけないか常に息子を見張っていなければいけないので、ほかのママさんとも話もできないし、なんで私ばっかり・・とさらにイライラ。
こんな気持ちになるくらいならと支援センターに行きにくくなってしまいました。
転機となった保健師さんからの助言
どうしてうちの子だけ投げるのを止めないんだろう?とかなり焦りが出てきた頃、同じ誕生月生まれの子が集団で受ける1歳6か月検診があり、保健師の方に相談する機会がありました。そして、次のようなアドバイスを受けました。
「今はまだほかの遊びに興味を持てなくて、投げることを楽しんでいるのかな?これからは、おままごとでママとお皿のやり取りをするとか、人と遊ぶ楽しさを教えていってあげるとよいと思います。個の遊びから対ヒトとの遊び方を伸ばしていってあげてください。あと半年もすれば投げなくなりますよ」
本当におままごと遊びをきっかけに変わり始める息子
保健師さんの言葉を聞いて、まず私が思ったことは「まだあと半年もこれが続くの!?」でした。
とりあえずアドバイスの通りにおままごとをさせてみようと、さっそく検診の帰りに100均でおままごとセットをいくつか買ってみました。初めから上手くいくはずもなく結局投げられて終わり。これで上手くいくのかな?と不安でした。
いつも行っていた支援センターの先生におままごとを勧められたことを話すと、先生が息子にコップを持たせてカンパーイ!と乾杯を教えてくれました。するとそれが楽しかったのか、その日家に帰ってからもずっと乾杯をしたがるくらい大好きになりました。
それをきっかけに、おままごと遊びが少しずつ出来るようになり、次に車遊びやお絵かきが好きになり、と徐々にほかの遊びに興味が移っていきました。そして反比例するように物を投げることが減っていき、半年後にはすっかり投げなくなっていました。
今振り返って考えると・・
息子は「投げるとみんなが褒めてくれるんだ」と最初はみんなを喜ばせようとしてくれていたのだと思います。私が後悔しているのは、見境なしに物を投げ始める前に「投げていいのはボールだけ」としっかりと統一してあげればよかったのかなということです。
「今はボールがないからこれを投げてもいいよ」と代わりの物を投げさせたこともあったので混乱させてしまったのかもしれません。
ですが、苦しいと思ったこの約一年の経験のおかげで、この後にも出てくる息子のいろいろな困った行動にも「いつか終わる時が来る」「今はそういう時期なだけ」と考えられるようになりました。
その時は「なんでこんなことするの!困る!」と思いますが、それぞれ期間は違えど、しばらく我慢するとある日を境に急にきちんと出来るようになる日がやって来ます。
“育児に教科書はない”とか“長期戦だ”と言われるからこそ、そんな風に「そのうち出来るようになるから大丈夫」とゆーるく考えることも、時には大切と思うように私は心掛けています。
そして、自分だけでなんとかしようと悩まずにいろいろな人に相談してみると、その子に合った解決法が出てくるのではないかと思います。