『ラン活』とはランドセルを選ぶ・購入するまでの活動のことです。ラン活に必要な、ランドセルの平均購入時期・相場などの基礎情報を解説します。上手なランドセルの選び方とおすすめの商品も併せて紹介しますので、ラン活の参考にしましょう。
ラン活を始める前に知っておきたいこと
子どもが幼稚園の年中・年長になると、小学校入学に向けてどのランドセルを買おうか、保護者同士での情報交換が始まります。
ランドセル購入に向けての情報収集やネット検索、実際にランドセルを買い求めることを、近年はランドセル活動、略して『ラン活』と呼びます。ラン活に成功するために必要な基本情報を見ていきましょう。
ランドセル市場の動き始めは早い
ランドセル市場の動き初めは年々早まっており、最もランドセルが売れる時期は6~7月と言われています。
なぜ、こんなにランドセル市場が活気づく時期が早いのかというと、いわゆる工房系と呼ばれる人気ランドセルのほとんどが受注生産だからです。
他にも、人気ブランドとのコラボランドセルなどは生産数が限られているため、早めに売り切れてしまいます。中でも特に人気の型のランドセルは、予約開始とともに完売する場合もあり、夏ごろにはほぼ入手困難と言えるでしょう。
そのため、年中の後半からランドセルについての情報収集を始め、年長に上がる頃に発表される新作モデルの中から購入候補を定め、試着に行く家庭が多いです。
ランドセルにも流行がある
昔は男の子は黒・女の子は赤のイメージが強かったランドセルですが、今ではさまざまな色・デザイン・機能のランドセルが発表されており、年によってトレンドがあります。
数年前までは個性豊かなランドセルが流行っていましたが、近年は割とオーソドックスでクラシカルな色・デザインのランドセルが人気です。
男の子は黒か紺、女の子はえんじや茶系のランドセルが安定して選ばれています。
また、男の子のランドセルでは、ほとんど装飾のないシンプルなデザインでパイピングがされている物、女の子も、派手な装飾のある物より、少し刺繍が入っている程度の落ち着いたデザインのランドセルが人気傾向です。
気になるランドセルの相場
ランドセルの値段はブランドや材質によって異なり、安い物は3万円以下、高い物では20万円以上のランドセルも存在します。その中で最も売れている価格帯は4~7万程度のランドセルです。
「正直高い」と感じる人がほとんどでしょう。以前よりランドセルは高級品であり、年々少しずつ値上がりを続けている物の一つです。
また、ランドセルの価格には、材質のよさやデザイン性、大きさが反映されるので、高級な物ほど優れている、もしくはよい素材が使われているともいえます。
しかし、子どもによって必要な機能や適した材質・大きさは異なります。できるだけ多くの種類・価格帯のランドセルを見て比較・検討をするとよいでしょう。
どんな違いがあるの?価格帯ごとの特徴
ランドセルの価格にはランドセルのスペックが反映されます。価格帯ごとにどのような特徴があるのでしょうか?具体的にそれぞれの個性を見ていきましょう。
4万円以下で買えるランドセル
4万円以下のランドセルの大多数が『合皮』で作られたランドセルです。国内ではなく人件費が安い国の工場で大量生産されているものがほとんどでしょう。
一見、高級ランドセルと変わらないように見えるランドセルでも、価格が安すぎるものは耐久性が不十分だったり、担いだときにフィット感が悪かったりするものです。
人気ブランドのランドセルでも、アウトレット価格で安く購入できることもあります。その場合、色やタイプが選べなかったり、保障期間が短かったりすることがあるので、購入する際はしっかりとチェックしましょう。
4万円から6万円台で買えるランドセル
大手ランドセルメーカーのほとんどは、4~6万円台のランドセルをメイン商材としています。そのうち4~5万円台のランドセルの大多数には『クラリーノ』と呼ばれる使い勝手のよい人工皮革が使われているでしょう。
さらに、その年のトレンドやアンケート結果から厳選した、シンプルな装飾・機能が付いたランドセルであることが多いです。
メーカーにもよりますが、ほとんどが6年間の修理保証も付いています。ただし、生産量が多く人気も高いため、お友達とかぶることもあるでしょう。個性を重視する子どもには向かないかもしれません。
6万円台からは、一般的に高級ランドセルと呼ばれる価格帯です。同じメーカーの中でも比較的高い種類や百貨店とハイブランドのコラボランドセルなどが当てはまります。
価格が手頃で、こだわった装飾や高級な材質を使ったランドセルを狙う人はこのくらいの価格帯がよいでしょう。
7万円以上の高級ランドセル
革製品の工房やブランドのランドセルには7万円以上するものも少なくありません。材質が『牛革』や『ヌメ革』のランドセルは7万円以上になることが多いです。さらに『馬革(コードバン)』ともなると10万円を超える物もあります。
さらにこうした高級ランドセルは、材質だけでなく縫製が手縫いだったり、一目で『あのブランドのランドセル』と判断できたりする特別感があるでしょう。
ただし、こうした高級ランドセルの中には、雨の多い地域には向かない物や、小学校に上がったばかりの子どもには重い場合もあります。
防水加工で、できるだけ軽量化した革が使われていますが、子どもが使いづらさを感じるようでは考えものです。試着をさせて子どもとよく相談して購入を検討しましょう。
ランドセル選びで大切なこと2つ
さまざまなブランドがランドセルを発表しています。選択肢が多すぎて決められない、もしくはどこに買いに行けばよいのかよく分からない人もいるでしょう。ランドセル選びで基本となる二つのポイントを紹介します。
どこのブランドを選ぶか
ランドセルの製造元は主にメーカー・工房系・百貨店オリジナルなどに分けられます。
工房系は、工房の名前がそのままブランド名になっている場合が多いです。しかし、メーカーや百貨店オリジナルは、ブランドによって細分化されています。
ランドセルを選ぶときは、まず子どもと自分の考えに合いそうなブランドをいくつかピックアップするところから始めるのがよいでしょう。
試着に行ったりカタログを取り寄せたりするブランドが定まると、ランドセル選びは格段に楽になります。
スタンダードな色を選ぶと失敗が少ない?
ブランドを選ぼうにも、どんなランドセルがよいのかよく分からない人は『ランドセルの色』から選ぶのがおすすめです。
しかし、子ども本人はもちろん、パパやママも何色のランドセルがよいのかピンと来ない場合もあるでしょう。その場合、スタンダードな色の中から何色のランドセルにするか選ぶのがおすすめです。
6年間の小学校生活では、子どもの成長とともに好みも変わってきます。高学年になっても使いやすい色をチョイスすることも、一つの方法といえるでしょう。
人気ブランドを比較するときのポイント
ブランドや色が決まっても、他にも購入までに比較・検討すべきポイントがあります。
ランドセルを比較するときに必要な検討ポイントについて紹介します。
6年間の修理保証はあるか
ランドセルは小学校入学から卒業まで約6年間、子どもが毎日使うものです。どれだけ丈夫なランドセルでも何かの原因で、ひどく汚れたり壊れたりすることもあるでしょう。
こうしたときに修理保証が付いていると安心です。できれば6年間の修理保証が付いた物を選びましょう。
色や素材は選べるか
小学校に入学する子どもが早く小学校生活になじめるように、さらに毎日楽しく登校できるように、子どもが望む色のランドセルを買ってあげたいですよね。
ランドセルは子どもが望む色を扱っているブランドから選ぶようにしましょう。
また、子どもによってはいくら高級品でも牛革や馬革などは重かったり扱いにくかったりするものです。高級なランドセルを買ってあげたくても、毎日背負う子どもにとって負担にならない素材を選びましょう。
サイズや容量も大切
近年では、A4サイズのクリアファイルが収納できるサイズのランドセルが推奨されています。ランドセルの本体の横幅を内側から測ったとき23cm以上あれば問題ありません。
さらに、マチ幅が12cm以上の物が主流です。軽めのランドセルを望む人は特に、このマチ幅に注意して選ぶようにしましょう。
あまりマチ幅が小さいとランドセル本体は軽かったとしても、ランドセルに入りきらない荷物を入れるために手提げを持ったり、フックに荷物をかけたりすることになりかねません。
こうなると重いランドセルを持たせたくない親の気持ちとは反対に、子どもの負担になります。ランドセル本体の重さも大切ですが容量もしっかり確認しましょう。
丈夫で背負いやすいものを
ランドセルはもともと丈夫で、荷物を入れても子どもが歩きやすい形状を目指して生み出されたカバンです。
子どもに与えるランドセルはその基本の二つ、丈夫さと背負いやすさはしっかり確認したいですね。
- かぶせの革は防水加工や傷防止加工はされているか
- 金具などの部品はしっかりしているか
- 子どもにとって扱いやすい部品が使われているか
- アームや背面のクッションの弾力性や衝撃吸収はどのくらいか
などを基準に判断するとよいでしょう。
専門メーカー系のおすすめランドセル3選
具体的におすすめのランドセルを紹介します。誰もがCMや広告などで目にしたことがある、人気モデルばかりです。
天使のはねで肩の負担軽減 セイバン
セイバンは、数あるランドセルメーカーの中でも大手メーカーです。『天使のはね』と名付けられた肩ベルトが背中への圧力を分散し、子どもの負担を軽減します。
また、『クラリーノ』と呼ばれる人工皮革においてセイバンは1・2位を争うクオリティーのブランドとして有名です。
ランドセル通販の【天使のはねストア】セイバン公式オンラインストア
背負いやすくコスパも高い フィットちゃん
CMでおなじみのハシモト『フィットちゃん』も毎年人気のランドセルです。
ブランド名であるフィットちゃんは、肩ベルトの根本に使用されている部品のことを指します。ランドセルと背中を密着させ、子どもの動きに合わせて肩ベルトもスムーズな動きをするため、左右のバランスを保ちやすいのが長所です。
また、フィットちゃんはコスパの高さと色・装飾のバラエティー豊富なことで知られています。比較的求めやすい価格で子どもが気にいる一品が見つかりやすいブランドと言えるでしょう。
安心安全で快適設計 ふわりぃ
『ふわりぃ』は、スーツケースやビジネスバッグで知られる老舗鞄メーカー協和が発表するブランドです。子どもの負担に向き合い、背中とランドセルの隙間をなくし、ふわっとした背負い心地を実現させました。
もう一つの特徴は、ランドセル本体の形状です。ランドセルを軽量化させるため、角をとった丸みのあるフラットキューブ型を採用しています。ルックスもかわいいですし、子どもにとっても扱いやすいでしょう。
また、ランドセルの全方位に暗闇で光る高輝度反射機能を搭載しています。軽量で暗闇でも存在を見つけやすい、1人で通学する子どもに持たせるのにぴったりの安心安全で快適設計のランドセルです。
人気工房系のおすすめランドセル3選
こだわり派の保護者には工房系のランドセルが人気です。中でも人気のあるランドセル工房と知る人ぞ知るおすすめのランドセル工房を紹介します。
品質の高さが魅力 池田屋
池田屋のランドセルは、品質が高い割には求めやすい値段でコスパのよさが魅力の一つです。
牛革と人工皮革のハイブリッド構造・防水・型崩れに強い変形防止版など、工房系ならではのクオリティーとあたたかみを感じられるランドセルといえるでしょう。
デザインは装飾のないクラッシックな物ばかりですが、カラーの展開は豊富です。子どもの個性や要求に合うランドセル、かつ飽きが来ず6年間安心して使えるランドセルを探している人にはぴったりでしょう。
定番素材のクラリーノ・牛革・コードバンはもちろん、独自開発した人工皮革『ベルバイオ』も牛革そっくりの高級感と耐久性が高く人気です。
ラインアップが豊富 モギカバン
モギカバンは、群馬県桐生市で創業90年を誇るランドセル工房です。妥協をゆるさないこだわりの素材を用い、職人による手縫い製法を取り入れています。
馬のお尻の革で、1頭から少ししかとれない希少な革『コードバン』で作られたランドセルには、刻印のサービスも行っているので、よりオリジナリティーのある物が欲しい人におすすめです。
遠方に住んでいて実際に手に取ることがむずかしい人には『サンプル貸出しサービス』を行っています。実際に手で触れて、背負って商品を確かめられるので、安心して購入できますね。
モギカバン店 -MOGI-KABAN Co.,Ltd. CorporateSite-
強さと機能美に注力 鞄工房山本
鞄工房山本が作るランドセルの人気モデルは、予約開始数時間で売れ切れるほど人気があります。人と違う物、また質の高いランドセルを持たせたい人は、要チェックな工房といえるでしょう。
奈良に工房構え、一貫製造体制にこだわり、一点一点丁寧にランドセルを製作しています。
「鞄工房山本ならでは!」といえる色の組み合わせやデザイン・装飾をほどこしたランドセルを発表しています。6年間のサポート付きなので、安心して使えるランドセルでしょう。
流通系のおすすめランドセル2選
ここ数年注目を集めているのは、機能性やデザイン性は高いのに、ランドセルブランドに比べるとかなり安価で手に入る流通系のランドセルです。
流通系では百貨店のオリジナルブランドなども人気ですが、さまざまな面から見てバランスのよい小売店のランドセルも人気があります。定評のある2ブランドを見ていきましょう。
背負いやすさと抜群の収納力 イオン
イオンのランドセルは軽量化にこだわり、背負いやすさを追求したランドセルです。安全性にも気を配っていて、全てのランドセルに高機能の反射材が付いています。子どもの負担や安全に気を配ったランドセルといえるでしょう。
軽量ランドセルにありがちな収納力も大容量設計がされています。高学年になっても手提げなしで通用しそうな、13.5cmのマチ幅が魅力です。
さらに、イオンオリジナルブランドのランドセルの中には+8cmまでアジャストできる小ポケット付きのモデルもあります。
また、オリジナル志向の保護者も満足できるオーダーメイドブランドなどもあり、豊富なバリエーションの中から、こだわりのランドセルを選べそうですね。
イオンのランドセル | かるすぽランドセルは大容量なのに軽い
リーズナブルで機能性も高い ニトリ
機能性の高さなら、生活雑貨と家具の大手メーカー・ニトリのランドセルも負けてはいません。
また、リーズナブルなことでも有名なニトリのランドセルの中には、老舗ランドセルメーカーや工房とのコラボ商品も安く提供しています。
基本的に3万円前後が価格帯のボリュームゾーンとなっていますが、4万円以上のものは高級ランドセルと引けを取らない作りです。
求めやすい価格で、しかし周囲から見劣りしないランドセルが欲しい人は、ニトリのランドセルコーナーを見学してみましょう。デザイン・色・特徴共にバリエーション豊富なので、気になる一品がきっと見つかるでしょう。
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