よく小さい子供がぬいぐるみを肌身離さずに持ち歩く姿を見たことがありませんか?これは「移行対象」といって、正常な成長過程だったりします。
また、ぬいぐるみだけではなく、タオルだったり毛布だったりする場合もあります。アニメの世界だと、スヌーピーで有名なアニメに登場するライナスが、毛布を離さずに持ち歩いていますよね。
ちなみに我が子は赤ちゃんの頃から使っていたタオルが離せませんでした…。お母さんからすると、いつまで持ち歩くのだろう?あまり長引くと良くないのかな?など、不安になるかと思います。
今回は、なぜぬいぐるみを離さず持ち歩くのか紹介します。
ぬいぐるみを離さないのはなぜ?移行対象とは?
移行対象とは、赤ちゃんの頃はお母さんと一心同体のように過ごしていたのが、成長するにつれ母子分離していく中で、愛着を持つものがある場合を移行対象といいます。これは、不安を感じたりした時に心のよりどころになるためで、正常なことです。
赤ちゃんの頃は、親、特にお母さんが自分の身の回りのお世話をしてくれる上に、抱っこして欲しい時や不快な感情を解消してくれるため、愛着を感じます。しかし、成長していくとダメと言われたりして躾も始まるし、自我も芽生えたりでお母さんと自分は別なんだと理解し始めます。
そんな成長の中でも、不安に感じたりするときもある訳で、そんな時にお母さんのような安心感を与えてくれるものを移行対象にして安心感を得ることが多いです。
移行対象となるものは個人差がありますが、ぬいぐるみやタオル、毛布が多いのは、触ったり口にした時の感触が、お母さんの肌やおっぱいに似ているからだとされています。
ぬいぐるみに熱中するのは、いつからいつまで?
移行対象となるものに熱中はじまるのは、ハイハイやつかまり立ちなどが始まる生後半年〜1歳の間が多いです。
今までは、あまり動くことができず、泣いて欲求を満たしてもらっていたのが、自分で動けるようになったり、お母さんへの愛着がつき、人見知りや後追いが始まる時期のためです。
逆にいつまで続くのかというと、2歳〜3歳くらいまでが多いとされています。
この頃になると、だんだんとお母さんにべったりとしていなくなる時期。徐々にお母さんから離れても不安を感じなくなるからです。
しかしこれには個人差があり、保育園や幼稚園などの環境の変化があったり、親子のスキンシップが足りなかったりすると長引く可能性もあります。
無理矢理やめさせた方がいいの?
あまり長引くと良くないと思い、無理矢理引き離した方がいいのかと考えたりするかと思います。しかし、これらの移行対象は、無理にやめさせてはいけません。
何かしらの不安があったりして心のよりどころにしているので、無理矢理奪ってしまうということは、お母さんと引き離されているのと同じになってしまい、心にキズを追わせてしまいます。
必ず本人にとって必要がなくなる時期がくるので、取り上げたりせずに待ってあげましょう。
ちなみに、我が家の子供は、タオルが好きだったのですが、生後7ヶ月頃から常に持ち歩いていたのが、3歳の頃から段々とタオル離れしていき、寝るときだけになりました。
しかし、4歳近くになった頃、保育園に行き始めた途端にタオルへの執着が戻ってしまい、保育園にも持参しないと不安で大泣きするように…。
しかし半年ちょっとしたら保育園に持って行かなくても大丈夫になりましたし、5歳になってからは、たまにタオルを見つけて持つ程度で、あまり執着はなくなりました。
卒業できるまで見守ってあげて
なかにはあまり長引くと発達障害なのかなと不安になるお母さんもいるかもしれませんが、そんなことはありません。むしろ移行対象は正常な成長過程です。
本人がお母さんに甘えたいのを代わりにしているだけ。いずれは本人自ら手放す日がきます。その日まで、温かく見守ってあげてくださいね!