今、タブレットを利用した学習教材を提供する会社が勢いを増しています。
手軽で、少しのスキマ時間を活用して学習することができるため、学習の習慣がつきやすいばかりか、自動採点や弱点分析、学習の進捗管理など機能の充実から、紙での学習より高い効果まで得られるという評判です。
ただ、親世代にとっては経験のない勉強法のため、学習効果が得られるのかどうかを疑問に思うのも無理のないことだと思います。そこで、タブレット学習のメリットやデメリットを整理してみたいと思います。
タブレット学習のメリット①子どもの興味を引くことができる
机に向かって教科書やドリルで学習するのが苦手、集中力が続かないという子どもには、タブレット学習は効果的だと思います。
子どもにとって、タブレットはゲーム感覚で操作できるツールですので、タブレット学習に変えることによって、学習に対して前向きになってくれる可能性があります。
また、タブレットで自発的に勉強するようになれば、3日坊主に終わることもなくなります。
タブレット学習のメリット②音や動画で勉強することにより、脳に残りやすい
当然ですが、タブレットは、紙での学習と違い、音声や動画などの解説があります。人間は、紙からの視覚的刺激のみで学習するよりも、音声などの聴覚的刺激を交えて学習する方が、記憶に残りやすくなります。
また、動画で学習することで、授業や実験などでできる学習を疑似体験できますので、これによっても学習効果が高まります。
タブレット学習のメリット③教材が不要となるため、場所や時間を選ばずできる
これも当然ですが、教材はすべてタブレット1台に入っていますので、教材がかさばらず便利です。また、タブレットさえあればいつでもどこでも学習ができますので、場所や時間を選ばずに済みます。
通塾や勉強机に向かうだけで嫌がったり集中力を失ったりする子どもにとっては、学習に向かうハードルが下がるという意味でとても効果的です。
いいことばかりではない!タブレットのデメリットも考える
ここまでタブレット学習のいいところばかり紹介しましたが、当然いいことばかりではなく、従来の教材学習に比べてデメリットもあると思います。
タブレット学習のデメリットをいくつか挙げてみたいと思います。
タブレット学習のデメリット①書くことをしないため、頭に残らない
皆さんも経験があると思いますが、学習には、情報の記憶だけでなく、実際に作業することによって身につくという側面を持つ教科があります。
特に計算や漢字などは、実際に自分が書いてやってみてはじめて能力が向上するのではないでしょうか。
今後の情報技術の発展によって、コンピュータが計算や文書作成などをするようになるので、こうした能力が必要なくなるかもしれないという予測はあります。
ですから、考え方次第ではありますが、やはり計算や文字を書く能力は人間の基礎的能力の一つですので、これはデメリットということができます。
タブレット学習のデメリット①学習以外のゲームに興味が集中してしまう
タブレット学習を提供している多くの業者には、勉強以外にご褒美としてゲーム機能がついています。
当然ご褒美ですから、子どもにとって楽しいゲームになっているのですが、これに執着するあまり、勉強を適当に終わらせてゲームの方にばかり集中してしまうという可能性があります。
タブレットは学習後すぐに答えが出て次に進んでしまうので、極端な話をすれば、内容を理解していなくても、ボタン操作をしているだけで次々と先に進んでしまいます。
ゲームをやりたい欲求のために学習をすっ飛ばした結果、頭の中に学習内容が残っていないという状態も考えられるのです。
結局は子どものやる気次第
教材学習にしてもタブレット学習にしても、最終的には子どもが主体的に学習できるかどうかに尽きます。
学習の習慣をつけるという意味ではタブレット学習は素晴らしい方法であることは間違いありませんが、教材による勉強にしかないメリットもあります。
どちらか一方を選ぶということではなく、年齢や子どもの特性によって両方の学習方法をうまくミックスさせながら、子ども本人のやる気をうまく引き出してあげられるようにすることが一番重要です。