陣痛時用のバッグにはあれもこれもと詰め込まず、必要最低限のものだけを入れておきましょう。突然陣痛や破水が起こっても冷静に対処できるように、夫に持ってきてもらうものや、病院までの交通手段も事前に考えておくことが大切です。
陣痛バッグと入院バッグは分ける?
陣痛が起きたらすぐに入院するケースもあり、陣痛時にも入院グッズを病院に持ち込もうか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
陣痛バッグを別に用意するメリットや適したバッグを知って、いざというときも1人でさっと動けるように準備を整えましょう。
入院グッズは後で持参も可
陣痛バッグと数日分の着替えなどが入った入院バッグを一つにまとめてしまうと、大荷物になってしまいます。
陣痛の最中に1人で持ち運ぶのは難しいため、身軽に行動するためにも入院グッズは別のバッグに入れておきましょう。
おしるしや陣痛が始まって病院に行っても、場合によってはすぐに入院とはならず、検診後は自宅に戻るケースも少なくありません。
入院グッズを持ち込むのは、入院が確定してからでも遅くはないので、陣痛バッグには必要最低限の荷物だけを入れて、いざというときに備えましょう。
1人でも持ち運べるサイズを選ぼう
陣痛バッグは、1人でさっと持てるサイズのトートバッグが適しています。
陣痛時に必要なものはこまごまとしたものも多いことから、ポケットがたくさんついているバッグが便利です。ポケットに小分けにして整頓すれば、必要なものをすぐに取り出せます。
出産後の準備として『マザーズバッグ』を購入している人もいるでしょう。マザーズバッグは手ごろなサイズでポケットが多く設けられており、陣痛バッグとしても活躍します。
出産後も何かと費用がかかることになるため、代わりになりそうなものはどんどん活用しましょう。
陣痛時に必要な持ち物リスト
陣痛バッグには、入院の手続きに必要なものと、陣痛時に役立つものを入れましょう。
陣痛の際にあると便利なアイテムはタオルです。体力や水分を補給するためにも、軽食や飲み物も用意しておきましょう。
母子健康手帳・保険証・診察券・印鑑
すぐに入院となったときのために、入院の手続きに必要な母子健康手帳・健康保険証・病院の診察券・印鑑の4点をひとまとめにしておきましょう。
母子健康手帳・健康保険証・病院の診察券は日ごろの妊婦健診にも持って行きますが、出産で入院する際には印鑑も必要になります。
印鑑は入院中に提出する書類を作成したり、退院時に入院費用などを清算したりするときに使用するのが一般的です。
これらの4点を『母子健康手帳ケース』に入れて持ち歩くようにすれば、外出先での予期せぬ陣痛や入院時も、スムーズに手続きを済ませられます。
タオル・ティッシュ
陣痛時にあると役に立つのが、タオルとティッシュです。陣痛時には痛みやいきみで体が火照るため、汗を拭きとるためのタオルが役立ちます。
陣痛中は汗を気にする余裕がなかったとしても、タオルがあれば産後に汗を拭きとってリフレッシュできます。
陣痛の痛みを逃すためにタオルを握り締めたり噛んだりする使い方もでき、バッグに忍ばせておけば何かと便利です。
陣痛中も食事をとる場合があるため、こぼしてしまったときや口周りを汚してしまったときのためなどに、ティッシュもあると重宝します。
飲み物・お菓子などの軽食
陣痛では体力を消耗するため、陣痛の合間を縫って軽食をとる人もいます。軽食はさっと手軽に食べられるものがベターです。
栄養価が高いことからバナナが挙げられることもありますが、バッグに何日も入れておくと腐らせてしまいます。ゼリー飲料やグミなど常温でも長持ちするものも用意しておくとよいでしょう。
ゼリー飲料は陣痛中に食欲がわかない場合も比較的摂取しやすく、水分補給にもなるというメリットもあります。汗をかくことを想定して、スポーツドリンクも準備しておきたいところです。
入院に必要な持ち物リスト
入院生活を少しでも快適に送るためにも、パジャマや下着などの衣類のほかに、ボディケアグッズや産後の体をいたわってくれる便利アイテムを準備しておきましょう。
入院に必要なものも早めにバッグにまとめておけば、家族に持ってきてもらうときもスムーズです。
パジャマや下着などの衣類
パジャマを貸してくれる病院もあれば、持参が必要な病院もあります。持参する場合は、授乳で汚したり汗をかいたりすることも想定して、多めに準備しておくと安心です。
産後は悪露が出ることから『産褥ショーツ』が欠かせません。股の部分が開閉する仕組みで、ショーツを脱がずに産褥パッドを交換したり診察を受けたりすることができます。
入院中はしばらく産褥ショーツが手放せないため、洗い替えも含めて2~3枚は必要です。産褥パッドは悪露が多いときも対応できるように、大きめのものを用意しておくとよいでしょう。
リップ・ボディシートなどのケアグッズ
入院生活を快適に過ごすためにも、リップクリームやボディシートといった体をケアするグッズをポーチにまとめておくと便利です。
入院中は空調のきいた部屋で過ごすため、唇の乾燥が気になることもあるでしょう。ボディシートもあればシャワーを浴びることができないときも、好きなときに体を拭いてリフレッシュできます。
入院中はおしゃれにかまう余裕がなくても、リップクリームやボディシートで身だしなみを整えることで、気分転換や心の余裕にもつながるでしょう。
クッション
経膣分娩の際、会陰切開を受ける場合があります。赤ちゃんが生まれた後に縫合されますが、切開した部分に触れると痛みが気になる人もいるでしょう。
『円座クッション』があれば、座っているときの刺激が和らぎます。縫合糸は体内に吸収されるものの治るまでに数週間かかるため、退院後も重宝するアイテムの一つです。
授乳の際には『授乳クッション』が活躍します。授乳は1日に何度もおこなうため、慣れないうちは苦労するママも少なくありません。
授乳クッションを使えば赤ちゃんの姿勢が安定する上、ママの腕や腰への負担も軽減されて一石二鳥です。
立ち合いをする夫の持ち物は?
陣痛が激しさを増すにつれて心身への負担が大きくなり、ときには夫の手助けも必要です。
出産を代わることはできませんが、リラックスできるグッズやボールでサポートして人生の一大イベントを乗り切りましょう。
妻がリラックスできるグッズ
少しでもリラックスして出産に臨めるように、好きな音楽やうちわを用意してもよいでしょう。好きなCDを持ち込めば、かけてもらえる病院もあります。
うちわは暑さ対策にもってこいです。ドラマでの出産シーンでは一瞬の出来事のように描かれていても、実際には初産婦で12~15時間、経産婦で5~8時間かかるといわれています。
いきみや踏ん張りなどで体に熱がこもることもあるため、うちわで涼しい風と一緒にエールも送って、夫婦二人三脚で乗り越えましょう。
痛みを逃がすボール類を用意
陣痛の痛みを逃すアイテムとして、テニスの硬球やゴルフボールなどのボール類が役に立つ場合もあるでしょう。
個人差はありますが、陣痛の際は背中や腰をさすると痛みが和らぐケースが多く見られます。
さする場所や力加減は本人に聞くしかありませんが「想像以上に強い力が必要」と感じる人が多く、手のひらよりもボールを使ったほうが効率がよいケースもめずらしくありません。
何時間もさすり続けることになる可能性も高く、辛抱強いサポートが求められます。
病院までの交通手段
陣痛時の病院への行き方もシミュレーションしておきましょう。近年では陣痛タクシーが普及しており、夜間や破水の際にも対応してもらえます。
配車に時間がかかるケースもあるため、複数のタクシー会社に登録しておくとよいでしょう。
陣痛タクシーが便利
陣痛タクシーは『マタニティタクシー』とも呼ばれており、急速に普及が進んでいます。陣痛時の送迎講習を受けたドライバーが多いだけでなく、24時間体制で受け付けているタクシー会社が大半です。
利用できるサービスもタクシー会社によって異なりますが、陣痛以外にも健診・妊娠中の買い物・退院時にも対応している場合もあります。
利用の際、多くのタクシー会社では事前登録が必要です。登録に1~2週間かかるケースもあるため、出産予定日の1カ月以上前に登録を済ませておきましょう。