保育園児が夜寝ないのはなぜ?お昼寝や生活リズムが原因の場合も


「保育園に行きだしてから、子どもがなかなか夜寝てくれない…。」仕事と家事・育児と毎日フル回転のママには、家事や余暇の時間が減るのはつらいものです。考えられる原因について知るとともに、早めに寝かせられるよう対策を立てましょう。

保育園児に適した睡眠時間は?

「寝る子は育つ」の言葉通り、睡眠は子どもの成長に密接に関わっています。「睡眠不足が子どもの成長に影響するのでは?」と心配なママも多いのではないでしょうか。

まずは子どもの理想の睡眠時間がどれぐらいかを知るところから始めましょう。保育園のお昼寝を合わせると、実はトータルの睡眠は足りているかもしれません。

保育園児の理想睡眠時間について年齢別にまとめました。

1~2歳の睡眠時間

生まれたばかりの赤ちゃんは、昼・夜の境なく1日の大半を寝て過ごしますが、成長に伴い昼間に起きている比率が高くなるとともに、生活のリズムが整っていきます。

1歳ごろには昼と夜の違いが明確となり夜にまとめて眠ります。

1歳~2歳では理想の睡眠時間は1日に11~13時間で、夜に10時間ほど、昼寝で1~3時間ほど眠るのがよいようです。

お昼寝の時間帯は、1歳では午前と午後に1回、または午後に1回で、各2~3時間が多くなります。

2歳児も午後に2時間ほどのお昼寝が必要とされますが、遅い時間帯だと夜眠れなくなる原因になるので、午後3時ごろまでには完了させるとよいでしょう。

3歳以上の睡眠時間

3~5歳の理想の睡眠時間は1日にトータルで10~13時間とされます。

3歳を過ぎると、体力もついてくるうえ睡眠のリズムが安定します。

お昼寝をしないで過ごす子どもも増え、ざっくり4人に1人の割合の子が昼寝をしなくなるようです。ただし、まだ多くの子は1~2時間程度のお昼寝を必要とします。

4~5歳ではさらにお昼寝をしない子どもの割合は増えますが、一部には昼寝が必要な子もおり、個人差が大きいところです。

夜寝ないのは保育園のお昼寝が原因?

子どもの1日の睡眠時間を見て、夜寝ないのはやはり「保育園のお昼寝が原因かもしれない」と思い当たることがあるかもしれません。

ここでは保育園のお昼寝が与える影響と対策について考えてみましょう。

保育園でお昼寝をする理由

保育園でお昼寝の時間が取られているのは、子どもの休息時間を取ることが一番の目的と考えられます。同時に保育園スタッフの休憩時間や事務作業の時間にも充てられています。

ただし近年では一律に昼寝の時間というわけではなく、休憩時間としてお昼寝以外にただ横になる、絵本を読むなど、個別対応をする保育園もあるようです。

厚生労働省の「保育所保育指針」では、以前は「午睡など適切な休息」と書かれていた箇所が、何度かの改正を経て平成30年度には「適度な運動と休息」と変更されています。

お昼寝は必須事項から選択的なものに変わりつつあるといえます。

お昼寝は夜の睡眠に影響する?

保育園でのお昼寝をなくすことで、夜早めに眠たくなるため就寝時間が早まる子もいます。しかし、逆に子どもが夕食やお風呂の時間に寝込んでしまい、かえって夜更かしするリスクも考えられます。

上記でも触れたように、子どもの睡眠時間には個人差が大きいものです。2歳でお昼寝をしない子もいれば、5歳でもしっかりお昼寝する子もいます。

保育園の昼寝は、夜の睡眠時間に影響がある可能性は高いものの、やはり1人ずつの子どものニーズに合わせることが大切なのではないでしょうか。

お願いしたら短くしてくれるケースも

保育園にお昼寝の時間を減らしたり、なくしたりするようお願いするママも中にはいるようです。

ほかにも同じように昼寝をしない子がいないか、昼寝前後の子どもの様子など、まずは保育園スタッフと密なコミュニケーションを取ることが大切でしょう。

子ども1人ずつに対応することは保育スタッフの負担が増えるうえ、どの子にも平等にすべきという方針の保育園の場合は難しいかもしれません。

しかし実際にお昼寝を必要としない子どもも一定数いるわけなので、柔軟に対応してくれる保育園もあるでしょう。

保育園児が夜寝ない原因 生活習慣編

寝ない原因は保育園での昼寝ではなく生活習慣にあるかもしれません。日常生活の中で、子どもだけでなく大人や家族全体の生活習慣に問題がないかを確認してみましょう。

よくありがちな例を三つ挙げました。普段気付かずに習慣化してしまっていることもあるのではないでしょうか。

夜のテレビやスマホの動画

テレビやスマホは今や子どもにとっても身近な存在です。子ども向けのテレビ番組・スマホのアプリなどを、情操教育やエンタメなどに活用するママも多いでしょう。

食事の支度などで忙しい時間帯には、子どもをじっと座らせておくための強力なお助けツールでもあります。

しかし、子どもの体内時計は、強い光を発するテレビやスマホに影響を受けやすく、特に夜間に光を浴びることで体が睡眠モードになりにくくなるといわれます。

できれば就寝2時間前までには、動画を見せたりスマホゲームで遊ばせたりするのを終了し、一緒に絵本を読んだり静かな音楽を聴いたりするようシフトしましょう。

日中の運動量が足りない

昼間に運動不足なため、夜も体力を持て余してしまうことが眠れない原因かもしれません。

休日には、1日のうち1時間以上は思いきり外遊びができる機会をつくってあげましょう。公園でのぶらんこやすべり台をはじめ、自転車や三輪車など、子どもが喜んでできる遊びがおすすめです。

ママ・パパとのキャッチボールやサッカーなども、親子の絆を深める素晴らしいアクティビティです。

平日は、仕事帰りのお迎え、帰宅してからは夕飯準備など忙しいでしょうが、例えば日が沈むのが遅い季節には30分ほど公園に寄り道したり、子どもを買い物に一緒に連れていったりするだけでもよい運動になります。

生活リズムの乱れ

不規則な生活によって睡眠サイクルが乱れていることも考えられます。早寝・早起きをし、食事・入浴・睡眠など普段から規則正しい生活を心がけましょう。

特に幼児期は親の生活習慣の影響を受けやすいものです。大人が夜遅くまでテレビをつけていたり、パソコン・スマホをいじっていたりすることで、子どもが眠りモードに入れないこともあるので注意が必要です。

平日も週末も規則正しく過ごせれば理想でしょう。しかし、平日に仕事・家事・育児と頑張っているママにも休息時間は必要です。

例えば日曜日だけは朝寝坊OKデーにして家族でブランチを楽しむなど、メリハリをつけるとよいでしょう。

夜寝かせるためにできることはある?

保育園にお昼寝の時間を減らす・なくすことをお願いしたいけれど、園の方針上個別対応ができなかったり、なかなか相談しづらかったりということもあるかもしれません。

そんなときに役立つ、ママが自宅でできる対策を二つ紹介します。

子どもがいつまでも寝ないでグズグズしたり、「もっと遊んで」など長時間付き合わされたりすると、どうしてもイライラしてしまいがちです。

しかし子ども自身にもどうしようもないことですから、叱るのではなく少しでも眠りを誘うようヘルプしてあげたいものです。

有り余っている体力を発散させる

夜になっても、子どもが元気すぎて寝ないときには、家の中でも簡単にできるエクササイズで体力を発散させるのもよいでしょう。

バランスボールやトランポリンで遊ばせたり、音楽をかけてダンスしたりするのも楽しいかもしれません。簡単なヨガのポーズは、子どもでも楽しめるうえリラックス効果もあり睡眠前にピッタリです。

ダイビングごっこをしたり水鉄砲で遊んだり、お風呂タイムも有効活用できます。洗濯物をたたむ、夕食の後片づけなどのお手伝いは、体力消費と生活スキルを覚えさせることができ一石二鳥でしょう。

生活習慣を整える

家族全体の生活習慣を変えるのは難しくても、自分自身をヘルシーな朝型の生活習慣へとシフトさせることは可能でしょう。

例えば子どもの就寝時間に合わせてママも一緒に寝てしまうのも一つのアイデアです。ママと一緒だと子どもも安心するのか、スッと寝入ることも多いものです。

台所の片付けなどやることが残ったままかもしれませんが、朝1~2時間早めに起きて片づけるようにすればよいのです。パパにも主体性を持って家事に参加してもらいましょう。

子どもに手がかかるうちは何もかも完璧を求めず、多少家事が手抜きになっても、子どもとの健康的な生活を優先するという考え方もあります。