授乳クッションといっても種類は多く、使い方にもさまざまなバリエーションがあります。
使い勝手のよい授乳クッションを探すなら、自分に合った物を見つけるのが望ましいですね。選び方のポイントやおすすめを紹介します。
授乳クッションを使うメリットとは?
授乳クッションは、授乳中に赤ちゃんを抱える際に利用するクッションです。
U字型・三日月型・長方形などの形があり、ママの体にフィットしやすく作られています。使用期間は授乳期のみとなりますが、産後の必需品リストに授乳クッションを挙げるママも少なくはありません。
授乳クッションを使うとどんなメリットがあるのでしょうか。
授乳時のママの負担を軽減
授乳クッションがあれば、赤ちゃんを支えやすくなります。赤ちゃんは生まれたときから3kg程度ありますから、抱っこの負担なく授乳できるのはママにとって大きなメリットです。
また、新生児期の赤ちゃんは、1日に10回以上母乳を欲しがることがあります。1回の授乳には20~30分程度かかることが多く、ママの腕にかかる負担は大変なものです。
加えて、授乳中は前屈みの体勢になります。支えなしで授乳を続ければ、やがては首や肩、腰まで傷めてしまうこともあるでしょう。
その点、授乳クッションはママの腕や授乳姿勢の負担を軽減してくれるのです。授乳をはじめてすぐにはメリットを感じなくても、授乳クッションはやがてなくてはならない物となるでしょう。
赤ちゃんが母乳を飲みやすい
ママの抱っこで姿勢が不安定になると、赤ちゃんも母乳を飲むのが大変です。体が揺れたり、飲みにくかったりすると、母乳を飲まずに泣き出してしまう赤ちゃんもいます。
ところが、赤ちゃんを授乳クッションの上に寝かせて授乳すれば、赤ちゃんの姿勢も安定します。からだを固定できるため、赤ちゃんもしっかりと母乳を飲むことができるでしょう。
ママもリラックスして授乳できる
授乳クッションを使えば「赤ちゃんを落とさないようにしなければ」という不安からも解放されます。腕の力だけで抱っこするよりも安定するため、ママもリラックスして授乳に臨めるでしょう。
特に、首が座っていない赤ちゃんへの授乳は、ママも大変気を遣います。授乳クッションの使用で不安が軽減されれば、赤ちゃんのお世話はもっと楽しくなるでしょう。
授乳時のクッションの使い方
授乳クッションのメリットを最大限活かすには、正しい使い方をマスターすることが大切です。授乳クッションを使う際のポイントを紹介します。
まずは基本の使い方をマスターしよう
授乳するときは、まず授乳クッションをママの膝の上に置き、腹部と密着させましょう。その後、赤ちゃんを横たえ、母乳を与えます。
このとき大切なのが、赤ちゃんの抱き方です。赤ちゃんの口がママの胸の高さに合っていること、赤ちゃんのおへそとママのおへそがきちんと向き合っていることを確認しましょう。位置がおかしいと感じたら、タオルなどはさんで高さ調節を行います。
正しい位置で赤ちゃんと向かい合っていることが確認できたら、赤ちゃんの首の下を支えながら授乳します。
使い方次第で利き腕の腱鞘炎予防に
利き腕とは逆の手でも授乳できるようになれば、ママ特有の腱鞘炎の予防につながります。
たとえ、授乳クッションを使っていても、ママは手を使って赤ちゃんの頭や首などを支える必要があります。これを毎回同じ手で行っていると、負担が増大し、腱鞘炎になることもあるのです。
そこでマスターしたいのが、『授乳クッションを使ったフットボール抱き』です。これは、母乳をあげるのと同じ側で赤ちゃんを抱っこする抱き方で、赤ちゃんをフットボールのように脇の下に抱えます。
左右どちらからでも授乳できるようになれば、片腕にかかる負担は大幅に軽減できるでしょう。
添い乳のサポートにも
添い乳は、赤ちゃんとママが共に横になったままで授乳するので、そのまま寝かしつけられるというメリットがあります。しかし、赤ちゃんによっては動きが激しく、うまくいかないケースも少なくありません。
添い乳が苦手な赤ちゃんは、授乳クッションで赤ちゃんを固定して添い乳をしてみましょう。このとき、クッションは赤ちゃんの背中に沿うように置き、赤ちゃんの支えとして使います。
授乳クッションできちんと固定すれば、安定感が増します。添い乳が苦手な赤ちゃんも、寝たままの体勢でうまく母乳を飲めるようになることがありますよ。
授乳時以外のクッションの使い方
授乳クッションは授乳時だけでなく、使い方を工夫すれば赤ちゃんとの日常のさまざまなシーンで役立ちます。
授乳時以外の授乳クッションの使い方をみてみましょう。
U字型なら赤ちゃんのお座りのサポートに
授乳クッションがU字型なら、赤ちゃんを真ん中に置いてお座りの練習ができます。
クッションがバック・サイドをしっかり固定してくれるので、まだ1人でお座りできない赤ちゃんでも倒れる心配がありません。ママの手を借りなくてもお座りしてくれれば、ママとしてはかなり助かりますね。
ただし、首がすわっていない赤ちゃんを座らせるのは危険です。お座りの練習を始めるのは、生後半年を過ぎ、しっかり首がすわってからにしてくださいね。
お昼寝のベッド代わりに
授乳中に寝てしまった赤ちゃんを起こしたくない場合、そのまま授乳クッションに寝かせるのもよいでしょう。
クッションの真ん中に赤ちゃんを置く、U字型なら切れていない部分に赤ちゃんの頭を置くなどし、頭の位置が下がらないよう注意します。
また、クッションと床面に高低差がある場合は、下にタオルやブランケットなどはさんで高さを安定させることも大切です。
ただし、赤ちゃんを授乳クッションで寝かせるのは、ママが起きているお昼寝時に限ります。ママが眠ってしまっては、万が一何か起こっても対応できません。
赤ちゃんはどんな風に動くか分からないので、ベッド代わりに使用する際は、しっかりと様子を確認しながら使うことが大切です。
妊娠中のママや赤ちゃんの抱き枕に
三日月型の大きな授乳クッションを選べば、妊娠中から抱き枕として使用できます。
お腹がせり出す妊娠中は寝苦しく感じたり腰が痛くなったりすることが多く、寝付きが悪いママも多いでしょう。抱き枕になる授乳クッションがあれば、お腹を安定させやすい上、腰への負担も軽減できます。
また、サイズの小さな授乳クッションなら、赤ちゃんの抱き枕としても使用可能です。寝返りを始めた頃などに持たせると、体勢が安定しやすくなる赤ちゃんもいますよ。
失敗しない授乳クッションの選び方
ひとくちに授乳クッションといっても、さまざまなタイプがあります。使い方も人それぞれなので、自分の使い方に合ったクッションを見つけることが大切です。
購入後に後悔しない授乳クッションを選ぶには、どのようなポイントに注意すればよいのでしょうか。
素材や洗いやすさで
授乳クッションは、カバーはもちろん、クッション自体も丸洗いできる物がおすすめです。
授乳していれば、ママの母乳があふれたり赤ちゃんが吐き戻したりなど、クッションは何かと汚れます。暑い季節なら赤ちゃんは汗をかきますし、こまめに洗える物の方が衛生面で安心です。
丸洗いできないクッションの場合は、カバーの取り外しが可能な物を選びましょう。クッション本体はこまめに陰干しなど行い、カバーを毎日取り替えれば、衛生的に使えますよ。
硬さや厚みも大切
授乳クッションは、赤ちゃんをしっかり支えるのが目的です。硬さや厚みは授乳時の赤ちゃんの安定性に大きく関わるので、きちんとチェックしましょう。
硬さは、押してもへこまず、中綿がしっかりと詰まった物がおすすめです。一方高さは、赤ちゃんを乗せたとき、赤ちゃんの頭がママの胸の位置にくる物が望ましいでしょう。
近年は、中綿の量により硬さや高さを調整できる授乳クッションも登場しています。サイズ的に不安がある場合は、調整可能な授乳クッションを検討してみてはいかがでしょうか。
授乳クッションのタイプによって
授乳クッションの形状も授乳のしやすさに影響します。
まず、もっともポピュラーなのがU字型の授乳クッションです。空いた部分に腰を挟んで使用する授乳クッションで、装着しやすい、赤ちゃんが安定しやすいなどのメリットがあります。
一方、産前から準備しておきたいママには、抱き枕にもなる三日月型がおすすめです。こちらもU字型と同様にクッションを腰に巻き付け、その上に赤ちゃんを乗せて使います。長く使えるので、コストパフォーマンスがよいのが魅力です。
このほか、近年は赤ちゃんの背中のカーブに併せて作られたCカーブ型も増えています。安定性が高くそのまま寝かせておけるので、赤ちゃんの簡易ベッドとしても人気です。
授乳ママに人気の授乳クッション3選
「授乳クッションがあれば便利」と分かっていても、いざ選ぶとなると難しいですよね。商品のイメージだけでは使い勝手は分かりにくく、決め手に欠けると感じるママは多いのではないでしょうか。
どれを選ぶか迷ってしまうママは、多くの先輩ママが選んだ授乳クッションをチェックしてみましょう。実際に使ったママが高く評価しているなら、安心感もありますね。
授乳中のママから人気の高い授乳クッションから、3点を紹介します。
多くの産院に支持される オオサキメディカル dacco授乳用クッション
助産師さんとママの声で生まれた授乳クッションで、現在多くの産院で使用されています。「初めて使った授乳クッションだった」というママも多く、退院後わざわざ同じ物を購入したという人も少なくありません。
使いやすさの秘密は、授乳クッションの高さと厚みです。中綿には『テイジン』の機能性繊維を使用しており、軽くて柔らかいのにへたりません。しっかり高さが出るので、授乳中も楽な姿勢を保つことができます。
また、綿100%の優しい肌触りもママたちからは好評です。柔らかいパイル地は心地よく、赤ちゃんのデリケートな肌にも安心して使えます。
クッション・カバーとも丸洗いできるので、衛生的に使えるのもうれしいですね。
- 商品名:オオサキメディカル dacco授乳用クッション
- Amazon:商品ページ
授乳しやすい設計が魅力 エルゴベビー ナーシングピロー
ベビーキャリアで人気の『エルゴベビー』が独自に開発した授乳クッションです。クッションに横たわる赤ちゃんが母乳を飲みやすいよう、高さやカーブにこだわって設計されています。
クッションの中材には高密度で硬めの材質が使用されており、へたりにくいのが特徴です。ママは前屈みにならずに授乳できるため、肩や背中への負担が軽減されますよ。
加えて、表面のカバーはビロードのようななめらかな素材で、優しい肌触りです。洗濯機で洗えるので、授乳時の汚れが気になりません。ただし、本体は丸洗い不可なので、硬く絞った布などで拭くに留めましょう。
- 商品名:エルゴベビー ナーシングピロー
- Amazon:商品ページ
パウダービーズで身体にフィット モグ ママ マルチウエスト
ふんわり優しいフィット感の秘密は、クッションの中材として使われているパウダービーズです。高さ19cmと厚みもあるので授乳しやすく、授乳時の赤ちゃんをしっかりと支えてくれますよ。
また、クッションカバーに配合されたよもぎ成分が肌あたりを柔らかくし、防臭効果を発揮しているのもポイントです。触れているだけで心地よく、ゆったりした気分で授乳できるでしょう。
- 商品名:モグ ママ マルチウエスト
- Amazon:商品ページ
マルチ機能でおすすめの授乳クッション3選
授乳クッションの使用期間の短さが購入のネックになっているなら、授乳時以外にも使えるクッションはいかがでしょうか。
マルチ機能でさまざまな使い方ができるおすすめの授乳クッションを3点紹介します。
抱き枕としても メイズ 抱き枕・授乳クッション
妊娠中や卒乳後は抱き枕として使用できる授乳クッションです。大人の体を包み込む大きめのサイズ感で、独特のカーブはCに近い形をしています。
仰向け寝・横向き寝に対応できるほか、巻き付け方次第で背もたれとして使ったりクッションとして使ったりなどが可能です。
また、中綿の量を調整すれば、クッションの厚みや硬さを変えることもできます。カバーはジャージー素材で肌触りがよく、授乳からリラックスタイムまであらゆるシーンで活躍するでしょう。
- 商品名:メイズ 抱き枕・授乳クッション
- Amazon:商品ページ
取り外し可能なミニ枕つき iOCHOW 授乳クッション
付属のミニ枕は、授乳時に赤ちゃんの頭を乗せて使用します。取り外せばママも使えるクッションとなるので、ママのお昼寝や読書時間などに役立つでしょう。
独特の形状の授乳クッションは、人体工学に基づいたデザインです。枕の角度は45度に設定されているため、赤ちゃんの吐き戻しが少なくなります。
カバーやライニングの安全テストも徹底されており、有害物質の心配は不要です。加えてカバー生地は天然綿100%なので、心地よい使用感があります。
- 商品名:iOCHOW 授乳クッション
- Amazon:商品ページ
3通りの使い道 エールベベ 3WAYクッションマカロン
授乳クッション・ママの腰痛クッション・赤ちゃんのおすわりサポーターとして使用できるクッションです。
外側には肌あたりのよいパイル地が、内側には通気性のよいメッシュ生地が使用されているのが特徴です。カバーは丸洗い可能なため、汚れを気にせず使えますよ。
また、クッションには赤ちゃんの頭を支える小型のサポートクッションも付いています。授乳時にセットすれば赤ちゃんの頭が固定され、授乳がよりスムーズになるでしょう。
- 商品名:エールベベ 3WAYクッションマカロン
- Amazon:商品ページ
授乳クッションを手作り・代用する方法
ただし、適当に作ったり代用したりなどすると、かえって授乳しにくくなったり赤ちゃんが母乳を飲みにくくなったりする可能性もあります。
そのため、手作りや代用品を利用する際は、赤ちゃんが母乳を飲む様子をよく確認することが大切です。
授乳クッションを手作りする方法やおすすめの代用品を紹介します。
手先が器用なママには手作りもおすすめ
手先が器用なママなら、好きな布・形・大きさのクッションを手作りしてもよいでしょう。型紙は手芸本やネットの手作りサイトなどから入手可能です。
材料は、基本的に布・中綿・縫い糸のみです。一直線に縫えばよいので、ミシンがあれば簡単でしょう。
一度作り始めれば修正は困難なため、実際の制作に入る前にサイズ確認を徹底することをおすすめします。
身の回りにある物で代用
授乳クッションの代用品となりそうな物は、枕・座布団・クッション・バスタオルなどです。汚れてもよいと割り切れる物、すぐに洗える物などあれば、それを使ってもよいでしょう。
ただし、本来の目的が異なるため、授乳にはいずれも一長一短です。代用品の使用がストレスになるならば、速やかに授乳クッションを検討することをおすすめします。